早稲田大学創立100周年の優勝4

Seiji-Y

2009年01月25日 21:30

 この頃のチームはまとまっていました。私の仕事は、試合前ノックと、攻撃の際の三塁ベースコーチですから、試合には出ていません。ですから同じ境遇のチーフマネージャーの大富君(現宮崎県佐土原高校野球部監督)、福地君(現埼玉県所沢商業高校野球部監督)、塩沢君、内田君、太田君、吉田君達と仲良しでした。安部君をはじめ、横山君、広岡君、山岡君、荒木君、沼君、荒井君、竹内君、みんないい友達です。
 さて、リーグ戦に話を戻しますが、法政が立教に1敗したため、早慶戦で1勝すれば優勝が決まることになりました。
 一回戦、早稲田は苦戦。2対3でリードを許したまま9回表もすでにツーアウト、ランナーなし。優勝は明日に持ち越しかと思ったら、続く代打の荒木君と8番佐藤君が四球を選び、一転、同点あるいは逆転のチャンスを迎えました。

 
 バッターは代打3年の阿久根君。ここで問題になってくるのは慶應の外野手の守備位置です。セオリーからすると一塁ランナーが還ったら逆転になってしまうので定位置に守るべきなのです。ところが、慶應が後攻ということもあり、二塁ランナーを1本のヒットで還さない前進守備という勝負に出てきました。阿久根君のジャストミートした打球は、慶應の外野手をあざ笑うかのごとく左中間を抜けて行きました。逆転! 
 9回裏の2死三塁というピンチも、木暮君に代わった3年の杉山君と岩下君の力投で切り抜け、念願の優勝を果たしたのです。史上最弱と言われ続けてきたチームが優勝したのです。涙が止まりませんでした。
 試合後、監督さんの胴上げはしませんでした。まだ戦いはあります。慶應から勝ち点を挙げて監督さんを胴上げしよう。これが合言葉でした。
 でも私はロッカールームの外の通路に1、2年生を集合させ、「有難う。お前達のおかげで優勝できた。4年生を代表してお礼を言う。有難う。」あまり喋ると涙が出てくるので短い挨拶でした。
 その後早慶戦は三回戦にまでもつれ、最後は、広岡君、山岡君、荒木君の3者連続ホームランや1年生の足立君の力投で接戦をものにし、無事、監督さんの胴上げをすることができました。早稲田はいい大学です。野球部は最高です。みんな卒業したらきっと思うことでしょう。いつも応援しています。あれから26年の間にいろいろありました。銀行員、学習塾の講師、約20年間の高校教師を歴任し、現在は、東武東上線みずほ台駅西口徒歩2分の、岩盤浴ができる風呂屋「岩盤房きらく」に勤務しています。読者の皆様、是非1度おこし下さい。

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