早稲田大学創立100周年の優勝3

  秋季リーグ戦は接戦の連続。まず東大に2連勝しましたが、一回戦は7回まで0対0で、8回表に東大に1点を先取されたものの、その裏、投手である3年の木暮君が逆転のセンター前ヒットを放ち、やっとの思いで勝ったのです。明治戦は一回戦を落としましたが、そのあと2連勝。二回戦では1点リードの8回裏。1死二塁三塁という大ピンチに、誰もがこのセカンドゴロで同点か、と思う間もなく安部君が勇敢なバックホーム。間一髪アウト!勝利を確信しました。
 続く立教戦も一回戦を落としました。立教には卒業後、西武に入団した好投手野口君がいました。そのあと2連勝。この頃から広岡君の首位打者が手の届くところに近づいてきました。

 

 いよいよ法政戦。法政のエース田中君は卒業後日本ハムに入団。キャッチャーは卒業後阪神に入団した木戸君。その控えが後にヤクルトに入団した秦君。ファーストは卒業後広島に入団した小早川君。サードは卒業後当時の大洋(現在の横浜)に入団した銚子君。レフトは卒業後広島に入団した西田君、とまるでプロのチームと対戦しているようなものでした。
 一回戦は大接戦。1対1の同点で緊迫した試合。ベンチにいたら口が渇き、息が詰まりそうな好ゲーム。8回表、2死三塁で主将の安部君が気迫のサードへの内野安打で勝ち越しに成功。 
 しかし、簡単に勝たせてくれるセミプロ軍団ではありませんでした。9回の裏法政の攻撃。無死満塁でクリンアップを迎える大ピンチ。まず3番の木戸君は浅いレフトフライでワンアウト。でもまだまだピンチが続きます。ここで問題になるのはホームインしたらサヨナラとなる二塁ランナーです。内野はファースト、サードがホームゲッツーを狙い、セカンドとショートが内野ゲッツーを狙う。二塁ランナーが最も生還しやすい外野へのヒットはセンター前ヒットです。セオリーどおり安部君と広岡君は二遊間を詰めます。続く4番小早川君の打った強烈なゴロは誰もがセンター前に抜けるという当たりでした。その瞬間広岡君がナイスキャッチ、安部君にトス、一塁へ転送。スリーアウト!やった!春季リーグ戦全勝の法政に初めて土をつけた瞬間でした。勢いに乗る早稲田は二回戦にも勝ち、早慶戦で勝ち点を挙げれば7シーズンぶりの優勝が決まることになりました。


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